あらすじ
「十年に一人の神童」――そう持て囃された戒能景の周りには、かつて多くの人がいた。だが、一度の敗北で彼が『凡人』に成り下がった途端、潮が引くように誰もがいなくなった。
「――戒能くん。もう、私の前には現れないで」
一番近くにいた幼馴染、楢崎琴音にさえ見捨てられた景は、以来、他人との関わりを断った。期待も、賞賛も、信頼もいらない。旧校舎の片隅で、ただ静寂を愛する。その孤独こそが、彼にとっての唯一の安らぎ――『聖域』だった。
しかし、その平穏は、学園の女王が流した『涙』によって壊される。
完璧を求められ、心折れていた孤高の歌姫・葛城詩。彼女を偶然救ってしまった景の「他人に期待しない」という冷めた振る舞いが、追い詰められていた彼女にとって、唯一の救いになってしまったのだ。
「やっと見つけた。私の『聖域』。――ねぇ、一生、閉じ込めていい?」
翌日から、景の日常は激変する。学園の女王が公衆の面前で彼に跪き、彼を汚す全ての存在を冷徹に排除し始めた。
かつて景を捨てた琴音たちが、後悔に震えながら彼に手を伸ばしてくるが、もう遅い。彼女たちの瞳には、景以外、何も映っていないのだから。
これは、全てを捨てたはずの元天才が、救いを求める美少女たちに監禁寸前まで愛し尽くされる物語。