あらすじ
気がついたら、ダンジョンの「壁」になっていた。
動けない。喋れない。攻撃もできない。
できるのは、ちょっと冷たくすることと、少し滑りやすくすることだけ。
最弱すぎる転生に絶望した俺は、
せめてもの抵抗として冒険者に嫌がらせを始める。
――転ばせる。迷わせる。罠に近づける。
最初はそれでよかった。
嫌なダンジョンとして噂になり、侵入者は減っていった。
だがある日、
冒険者ではなく「作業員」が入ってくる場所に、意識が飛ばされる。
そこは国家管理のダンジョン鉱山。
嫌がらせでは誰も逃げず、撤退もしない場所だった。
仕方なく“改善”した結果、
作業効率は上がり、事故は減り、
俺はいつの間にか――
国家運営に欠かせない存在になっていた。
これは、
剣も魔法も使えない「壁」が、
環境操作だけで人と国家を動かしてしまう物語。
※主人公は最後まで壁です。