あらすじ
男兄弟に囲まれて育った朝比奈朔。
木登りも走るのも得意だけれど、女の子らしいことはまるで分からない。
そんな朔が出会ったのは、旧華族の家に生まれた、礼儀正しくて静かな少年・桂木遥斗。
木の上で鳴く子猫を助けられずに困っていた遥斗の前に、
朔は迷いなく木に登り、軽やかに子猫を救い出す。
「……ありがとうございます」
丁寧に頭を下げる遥斗と、そっけなく「別に」と返す朔。
価値観も育ちもまるで違う二人の距離は、最初はぎこちない。
だけど、遥斗の優しさに触れるたび、
朔の中で“女の子らしさ”が少しずつ芽を出していく。
これは、不器用な少女が、
誰かを好きになることで“自分”を知っていく物語。
そして、静かな少年が、
風のように自由な少女に心を揺らされていく恋のはじまり。