あらすじ

四社目の転職先で、結衣は“時間”を売る仕事に就いた。 プロジェクト管理DXのSaaSを全国へ展開し、遅れを消し、現場を軽くする――はずだった。 キックオフは雨。 結衣はガントチャートの中央に「白い帯=余白」を置く。 「完璧に詰めるほど、壊れます。呼吸の場所を作ります」 だが現実は逆へ進む。 遅延ゼロ。称賛。表彰。 その裏で、現場は“遅れ”を隠し、助けを呼べなくなる。 そして倒れる、顧客側PM・高橋。 病院の白い廊下で、妻は言う。 「このまま戻ったら、また壊れる気がして。どうにか、なりませんか」 結衣のスマホには、過去の録音が残っていた。 上場前夜の自分の声―― 「正しい選択が誰かを壊すなら、それは正しくないって言える人でいたい」 結衣は決める。 “勝っている計画”を、自分の手で崩す。 売上も評価も落ちる。キャリアに傷がつく。 それでも、人を壊さないために。 雨粒みたいに揃わない現場の呼吸を、もう一度、予定に戻すために。 その日、結衣は「正しい失敗」を選ぶ。

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小説を読もう2026/01/14
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