あらすじ
家柄、美貌、知性、品格――
すべてを兼ね備えた令嬢、シャーロット・セントレア。
二十一歳の春、彼女は結婚した。
相手は侯爵家の嫡男エドワード・ノイヴァン。
帝国では「奇跡の貴公子」と称される、非の打ちどころのない青年である。
帝国中の注目を集めた“世紀のウェディング”から九か月。
夫は優しく、夫婦仲も良好。
誰の目にも、二人は幸福そのものに映っていた。
――ただ一つのことを除いて。
子が、授からない。
身体に問題はなく、時が来れば自然に授かるはず。
そう頭では理解していても、シャーロットには、
どうしても「急がねばならない理由」があった。
焦りの裏で、静かに蠢く黒い影。
やがてその陰謀は、彼女一人の問題にとどまらず、
帝国全土を揺るがす騒動へと発展していく。
これは、
“理想の花嫁”と呼ばれた一人の女性が、
本当の幸せを掴み取るまでの物語。