あらすじ
辺境都市ルミネ。
大きな争いとは無縁のその街で、青年ユーマは静かに暮らしていた。
彼には、禁忌の魔法、精神干渉魔法の力が備わっていた。だが、その力を隠し、酒場〈狩人の止まり木〉で働きながら、平穏な日常を守り続けていた。
そんな彼の住むルミネで、次第に「人の心を操る事件」が起き始める。
調査のため王都から派遣されたのは、教会・対魔管理局の調査員ノア。彼女は事件を追う中で、ユーマに疑いの目を向けていく。
ユーマには平穏を壊す気はなかった。
力を振るう覚悟も、最初から持ってはいなかった。
だが――
守りたい日常が踏みにじられた時、止まり木の魔術師は決断を迫られる。
教会と王家、信仰と秩序、正義と管理。
その狭間で、辺境の小さな酒場を起点に、世界の歯車は静かに、しかし確実に狂い始める。
平穏を望みながらも、真実に踏み込むたび、暴かれていく世界の歪み。
これは、「人の心」に触れてしまった青年が、否応なく運命に巻き込まれていく物語。