あらすじ

握りしめる癖がある。 ゴルフクラブも、ドアノブも、人の期待も――そして、痛みさえも。 別府を出て東京へ。昼はゴルフ、夜は銀座。 「話しやすい」「癒される」――褒め言葉が増えるほど、息が浅くなる。 上手くなりたいのに、握るほどクラブは暴れ、人生も曲がっていく。 壊れかけた夜、ユナは“塩”を選ぶ。 そして海の向こう、ニュージーランドへ。 言葉が足りない場所で、たった四つの短い英語―― Please / Sorry / Thank you / Help が、彼女の身体を生き返らせていく。 帰国後、彼女は小さなクラスを始める。 飛距離よりも「壊れない握り方」を教えるために。 撮らない男・蓮。 踏み込みすぎず、掴まない距離。 その余白が、なぜか救いになる。 ほどいても、失わない。 そう知ったとき、ユナのグリップは――人生を飛ばし始める。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/01/14
  • 現在の作品『 ほどけたグリップ 』