あらすじ

1. 上京一週間、名刺の角 新宿駅のホームに降りた瞬間、胸の内側が熱くなった。排気の匂い、汗、甘い香水、焼きたてのパン。岐阜の朝の澄んだ空気とは違う濃度が、喉の奥にまとわりつく。 「東京って、こんな匂いなんだな」 独り言が、騒音に紛れて消える。 ポケットの中で、薄い紙の束が指に引っかかった。自分の名刺。出来立てで角が立っている。紙は薄く、誇張のない白。けれど、その白に印刷された二文字が重い。 ——代表。

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小説を読もう2026/01/14
  • 現在の作品『稲妻の名刺 —岐阜から、百億へ』