あらすじ
頭頂部からわずか15cmの右腕だけが生え、両肩に腕のない少年・右京は、生まれつきの異形ゆえに毒親から手術も受けられず育つ。周囲は彼を「人間離れしすぎて」差別せず、むしろ腫れ物扱いの優しさで接する。授業中、無意識の挙手で指名され博学になる彼は、じゃんけんで脳信号の速さを活かし不正も働くが、後ろめたさを感じつつ人間社会に溶け込む。恋など無理と思いきや、裏手の川で頭頂部に皿が一体化した緑肌の少女・河原さんと出会う。彼女も隣の小学校で似た優遇を受け、水分補給の体質を気遣われつつ、過剰な配慮に虚しさを感じていた。「多少差別された方が健全」と互いに吐露し、心を通わせる。
ある日、草むらから現れた少女・左夜は右京と瓜二つだが、頭頂部に左腕が生えている。隣町の噂を聞きつけやって来て即告白するが、右京は「握手すらできない」と河原さんを選び断る。左夜は「最低!」と泣き叫んで去る。河原さんの夫・河童が現れ、彼女が人間換算アラサーで河童の成長速度ゆえ子作りシーズンに入ったと知り、別れを告げられる。「生まれた子を抱っこして」と言い残し、夕日を見送る河原さんを見送る。
川下から皿を突き破った右腕つき河童・右川が現れ、化粧水話や握手で初恋の悲しみを慰め合い、きゅうりを分け合う。続いてUFOが現れ、溺れる宇宙人を助けられず流れ去らせ、上司のサウザーと高速UFOで追跡・死体と残骸を回収するが、サウザーのUFOも上空で爆発死。二つの非人間の死を目撃した右京は、自販機のコカ・コーラで激頭痛に倒れる。朦朧中、同じ頭頂部右腕の女性が現れ、手の平を重ねて運命を感じ幸せに眠る。
目覚めるとベッドで、毒親と思っていた両親が優しく心配。すべて夢かと疑うが、無駄にナルシストな全身鏡で頭頂部右腕を確認し安堵。両腕なしの現実を確かめ、あいこ必至のじゃんけんで鏡の自分がパー出し不敵に笑う姿に、現実の孤独を再認識する。