あらすじ

透明なガチャポンのカプセルの中。 そこに収まっていたのは、首だけの男のミニフィギュアだった。 目を閉じ、口を大きく開け、叫ぶ表情のまま固定された存在。 彼には名前も記憶もない。ただ「叫び続けている」という状態だけが与えられていた。 昼の世界で彼は、ただのネタ玩具だ。 笑われ、引き出しに放り込まれ、忘れられていく“全4種”のうちのひとつ。 だが夜になると、世界は静かに裏返る。 人の気配が消えた部屋で、フィギュアやキーホルダーたちが意識を持ち始め、彼の声は初めて外へと届く。 叫びは、単なる音ではない。 それは選ばれなかった存在、忘れられた想い、消費されるだけだったものたちの感情を代弁する力だった。 彼の声に触れた人間は、理由も分からぬまま足を止め、心を揺さぶられていく。 動けない主人公。 昼と夜で異なる世界の法則。 そして、まだ姿を見せない“残りの3種”。 小さなカプセルに閉じ込められた叫びは、やがて透明な壁を越え、現実そのものにひびを入れ始める。 これは、声を持ちながら届かなかった存在が、世界とつながろうとする物語。

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エブリスタ
エブリスタ2025/12/31
  • 現在の作品『透明なカプセルの叫び』