あらすじ
かつてMMOの頂点に立ち、数千人の猛者を率いた伝説のギルドマスター・ヴィック。
彼は世界初となるレイドボス討伐の報酬として、愛するゲーム世界への「転生権」を手に入れた。
しかし、転生した世界は「火力こそ正義」「回避こそ至高」という、極端な脳筋理論が支配する場所だった。
火力を持たない支援職【付与術師(エンチャンター)】は、パーティのお荷物扱い。「寄生虫」と罵られ、ヴィックは冒険者ギルドの底辺を這うことになる。
だが、ヴィックだけは知っていた。
この世界で最も重要なのは、火力でも回避でもなく――「盤面支配(コントロール)」であることを。
「回復? 必要ない。敵を行動不能にすればいい」
「回避? 無駄だ。俺がヘイトを管理すれば、棒立ちで勝てる」
ヴィックが見つけ出したのは、誰からも見捨てられた「欠陥品」たち。
攻撃力ゼロで敵に無視される重装盾士・ギル。
予備動作が長すぎて攻撃が当たらない重剣士・リリア。
ゴミスキル? いや、それは最強の原石だ。
ヴィックの冷徹な指揮と秒単位のバフ管理により、ポンコツたちは世界を蹂躙する「殺戮マシーン」へと変貌する。
ポーション代ゼロ、被弾ゼロ、無駄ゼロ。
これは、英雄譚ではない。
リソース、ヘイト、クールタイムの全てを支配する、狂気の「管理ゲーム」の記録である。