あらすじ
大気圏の異変が世界を襲う。
「晴れの日に降る焼ける雨」「雪が肌を赤く腫らす」――
外気が突然の脅威となり、外出規制が施行される。
学校は休校、子どもたちは「外で遊ぶ」という言葉を失い、
空をにらみながら生きることを強いられる。家族の中にも亀裂が入る。
父は「嘘だ」と否定し、母は「正しいものを見失った人たちが怖い」と怯える。
大人たちは互いを信じられなくなり、
主人公は「怖いときはそばにいたほうがいい」と父を抱きしめるが、
その温かさも長くは続かない。そして最後の日。
晴天の下で突然降り始めた焼ける雨。
外で取り残された子どもを助けようと、
主人公は恐怖を振り切って外へ飛び出す。
しかし力尽き、雨に焼かれながら倒れる。
母が走り出そうとするのを父が抱きとめる姿を最後に、
視界が歪み、世界は静かに消えていく。誰も救われなかった。
世界はただ、壊れただけだった。