あらすじ
「侯爵家は軍と密約し、王位簒奪を企てた。お前の母が証拠だ」
王太子オズワルドに婚約破棄を通告されたリゼット。亡き母への冤罪に、彼女は震える拳で耐えた。だが諦めはしない。母の遺品、暗号で記された軍事予算の日記——これが武器だ。
「私は母の名誉を暴きます」
その瞬間、北方公爵ヴォルフレドが介入する。「私が証人になる」。冷徹な軍人として恐れられる彼の視線は、リゼットだけを映していた。
王太子は3日以内の領地明け渡しを要求。リゼットは公爵の支援を受け、王立裁定院への申し立てを決意する。だが王太子の圧力は容赦ない——家宅捜索、貴族会議での中傷、そして母の日記の押収命令。
それでもヴォルフレドは、リゼットを守り続けた。日記を公爵家金庫に保管し、裁定院への同席権を与え、彼女だけを名前で呼ぶ。「お前は一人じゃない」
そして裁定の日。謁見の間で母の日記が公開され、軍部全将校が証人として召集された。真実が明かされる——侯爵家は王位簒奪ではなく、軍部の腐敗を監視していたのだ。
王太子は失墜し、リゼットは勝利する。
だが本当の逆転は、その後だった。ヴォルフレドが全貴族の前でリゼットの指に公爵家の印章指輪を嵌め「お前は私だけのものだ」と宣言したのだ。
捨てられた令嬢は、公爵に選ばれ、全てを取り戻した。