あらすじ
聖者ではない治癒魔法師アシュは、
愛する恋人が命に関わる大怪我を負った時、禁術《代償魔法》に手を伸ばした。
治す代わりに失ったのは、視力と聴力。
それでも恋人が生きているなら、それでよかった――はずだった。
だが、治癒魔法師として生きられなくなったアシュの前に現れたのは、
名も名乗らず、優しく世話を焼く“謎の男”。
衣食住は完璧に整えられ、危険はすべて排除され、
気づけばアシュの世界は、彼一人を中心に回るようになっていた。
そして知ってしまう。
その男が、この国の王であることを。
恋人が去ったのではなく、「会わせてもらえなくなった」のだということを。
さらに明かされる、代償魔法の真実。
それは失う術ではなく、魂を“錨”として誰かに固定する禁術だった。
これは、
愛して救ったはずの奇跡が、
永遠に続く囲い込みだった物語。