あらすじ

成人式の晴れ着を見ると、心がギュッと痛くなる。普通でない自分の過去、汚名返上するために思い描いた未来の姿とは懸け離れた、屈辱としか言いようのない情けない姿。

 成人式には出席していない。「昔の知り合いに会いたくないもん」と、強がりを言っていた。
 両親は「せめて振り袖で写真だけでも撮らないか?」と言ったが、それも拒絶した。
 それは何故か。当時の私は自律神経が乱れて微熱が下がらず、近所を散歩するだけで具合が悪くなっていたからだ。総合病院には通院していた。ただし内科、お情け程度の神経内科があるところだった。バスにも乗れない私は、父の運転する後部座席に横たわって、病院へ出向いた。長い診察待ち時間を椅子に座っているだけで具合が悪くなった病院で処方された薬は、殆ど効果がなかった。
 当時、たまたまテレビで精神科に通う青少年が急増の特集が組まれていた。この頃、精神科に通うのは恥ずべきことだと、だからこそ親は総合病院に通院させていた。目眩の原因を探るためにCT検査や採血など、あらゆる検査をしたが原因不明。
 私はテレビを見終えた後、地元の精神科クリニックを探し、親の反対を押し切って、一番通院しやすそうな場所へ行った。
 そのキッカケをくれたのは、友人だった。同年の春と秋、2人の親友が結婚式を行うことになった。場所は都内と横浜。
 招待状を貰った私は、どうしても披露宴に参列したかった。

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アルファポリス
アルファポリス2026/01/12
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