あらすじ

最初におかしくなったのは、 音楽室の床だった。 少し沈んでいるだけに見えた。 誰も気にしなかった。 次の日、 理科室の器具が途中で消えていた。 図工室の棚の半分が欠けていた。 そして三日目、 音楽室そのものが“なかった”。 破壊音も、爆発もない。 ただ、白い空間が教室の奥に広がっていた。 異変はゆっくりと広がり、 ある日、二年三組が半分消えた。 それでも学校は続いた。 先生は「平気よ」と笑った。 教育委員会は「異常なし」と言った。 警察は「事件性はない」と帰った。 そのころ、 一部の子どもだけが“渦”を見ていた。 黒く濁り、 揺れ、 空間の端を食べるように広がる渦。 渦が見える子どもと、 見えない大人。 渦が見える親は、 授業参観の日にすべてを理解する。 ──世界は、本当に崩壊している。 学校が欠け、 名簿から人が消え、 記憶が書き換わり、 誰もいなくなっていく学校で、 子どもたちは真実へ辿りつく。 最後に残るのは、 “渦が見える者”だけだった。

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カクヨム
カクヨム2026/01/12
  • 現在の作品学校崩壊 ― 渦が見える学校 ―