あらすじ

平安――陰陽師が妖怪討伐の力を強め、多くの異形たちが滅びていく時代。そんな頃、古い一族が鏡の付喪神 雲外鏡 に願いを託した。妖怪たちが安心して暮らせる場所を――と。 その思いは大鏡を揺らし、一つの世界を生んだ。霊鏡(れいきょう)。鏡の中に浮かぶ、異郷。だがそこには深い森があり、流れる川があり、村があった。人と妖がともに暮らし、恵みと静けさに満ちている世界――外界の迫害から逃れ、辿り着いた者たちの避難所でもある。 外界で家族と集落を陰陽師に焼き尽くされた 亜由(あゆ) は、ひとりさまよい歩き、気付けばこの霊鏡の森の奥深くに立っていた。心に傷を抱え、出口すら見えない暗闇の中で彷徨う彼女を救ったのは、一匹の鎌鼬の妖だった。やつれ果てた彼女を、 妖は自らの住処――朽ちかけた山奥の小屋へと導く。 そこで出会うのは、霊鏡の住人たち。人と妖、精霊や魔法を使う者――言葉を交わし、ときにぶつかり合い、ときに助け合う日々。亜由は次第に心を開き、過去の傷と向き合いながら、自分自身の「在り方」を問い直していく。 しかし霊鏡はただの避難所ではなかった。外界での戦いの余波は、鏡の内側にも波紋を広げつつある。陰陽師の執念は、やがて霊鏡の境界までも揺らし始める――。 亜由は自分の運命と、この穏やかな世界を守るため、妖と人の境界を越えた選択を迫られていく。 これは、失われたものと再生の物語。鏡に映る世界で「共に歩む」という希望を紡ぐための、ひとりの少女の旅路である。

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小説を読もう2026/01/12
  • 現在の作品アルケオン 霊鏡物語