あらすじ
プロローグ
(こんな曇天の日にフラなくてもいいだろうに…。)
俺の視線の先で、遊び仲間の一人が、彼の幼馴染をフッテいる。
空は、幼馴染の心模様のように、今にも泣き出しそうだ。
やがて話が決着したのか、幼馴染を残して、奴はどこかへ立ち去った。
(おいおい、報告あるんじゃないのか?)
こんな厄介な場面に呼び出されたのも、奴の愚痴を聞かされ手筈になっていたからだ。
まったく、昼食一週間奢りなんて、チンケな報酬に目がくらんだ俺も馬鹿な奴だよね。
そう思っていると…フラれた幼馴染さんと、バッチリ目があってしまう。
視線を逸らす努力はしてみたけれど、彼女は俺をロックオンしたらしく、ズカズカと歩いて来る。
「いつから見ていたの?」
彼女は詰問してきます。
(はじめから…)
という心の声を圧し殺し
「五分ほど前から…」
「全部見てたのね!」
俺の答えにピシャリと言ってのける幼馴染さん。
って、あなた達の別れ話ってそんなに短かったの?
彼女の瞳に涙が迫り出して来ると、待ってましたと言わんばかりに降り出す五月雨。
「ああ、立ち話も何だから、あそこに行きましょう!」
目に留ったファストフード店を指差せば、黙って頷く幼馴染さん。
雨が本降りになる前に、二人揃ってファストフード店に向かうのでした。