あらすじ

聖女の悲鳴で、シャンデリアが綺麗だ。祈るな。 血霧を噴け。内臓を回せ。 勇者の暖炉で火をくべよう。骨が鳴る。肉が焼ける。だけど死なせない。殺さない。 ​「殺してくれ」と懇願する勇者。「助けて」と泣き叫ぶ聖女。 残念だ、君たちは最高の「設備」なのに。 ​これは、村を焼かれ家族を殺された男の新しい復讐の形。 ​ 遺体を加工して家を作る『骸工族』の青年オーズは、母と妹と共に平和に暮らしていた。死者に包まれて眠り、死者に守られて生きる。それが彼らの愛の形だった。  だが、その日常は「正義」によって踏み躙られる。  魔王を倒した英雄たち――勇者、聖女、賢者、騎士団。彼らはオーズたちの文化を「冒涜」と断じ、村を焼き払い、家族を惨殺し、生きたまま王都の掃き溜め『奈落の古井戸』へと廃棄した。 ​ 泥と汚物、そして家族の死体の中で、オーズは覚醒する。  古代のダンジョンコアと融合し、あらゆる有機物を「建材」に変える 【城塞喰主:ダンジョン・ロード】 として。 ​ 彼の瞳に、もはや人間は映らない。  そこに在るのは、極上の「建築素材」だけだった。 ​「さあ、城を建てよう。君たちの血と肉で」 ​ かつての英雄たちは、一人、また一人と「城の一部」へと加工されていく。  リーダーだった勇者は、心臓を剥き出しにされ、城を動かすための焚き火 「生体エンジン」に。  知恵ある賢者は、頭部だけを切り離され、城を制御する「生体CPU」に。  美しき聖女は、下半身を天井と癒着させられ、侵入者に死の歌をを浴びせる「生体シャンデリア」に。 ​ 古井戸から始まった男の小屋は、やがて森を食らい、村を飲み込み、ついには重力を振り切って空へと浮上する。  血管のようなパイプが脈打ち、肉の壁が呼吸する、空飛ぶ悪夢。 ​ ――お兄ちゃん、お母さん。もう痛くないね。  ああ、そうだねアリス。ここは世界で一番温かい、俺たちのマイホームだ。 ※他に連載している作品があるので、そちらを優先的に更新します。その作品が終わり次第、毎日投稿に切替わる予定です。

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カクヨム
カクヨム2026/01/12
  • 現在の作品英雄の死体で城を建てよう。~虐殺された俺たち家族、侵略者を「建材」にして空を覆う【浮遊要塞】となる~