あらすじ

「ねえ、湊くん。あなた、そんな脂っこい胃袋で人生を終えるつもり?」 クラスカースト上位、SNSのフォロワー数だけが自尊心。 「映え」こそが正義の高校生・**湊(みなと)**は、ある日の放課後、奇妙な光景を目撃する。 旧校舎の隅、カセットコンロの湯気の向こうで、伸びきったうどんを幸せそうにすする地味な少女・**紬(つむぎ)**の姿を。 彼女は、全校生徒でたった一人の謎の部活動**『最後の晩餐部』**の部長だった。 入部テストの問いは一つだけ。 『もし明日世界が終わるとしたら、あなたは最後に何を食べたい?』 湊は自信満々に「限定パンケーキ」や「高級焼肉」を提案するが、彼女は冷たく切り捨てる。 「不合格。最期の瞬間まで、他人からの『いいね』を数えて死ぬの?」 活動内容は、来るはずのない「世界の終わり」を仮定し、人生の最期に食べたい一皿を真剣にプレゼンすること。 ただし、ルールが3つある。 予算は高校生のお小遣い以内であること。 その料理に秘められた「エピソード」こそがメインディッシュ。 食後の挨拶は「ごちそうさま」ではなく、**「いい人生だった」**と言うこと。 冷めたピザ、失敗した手作りクッキー、母が作った不揃いのオムライス。 不格好な料理に隠された記憶を紐解くうち、湊は自分の偽りの殻を脱ぎ捨てていく。 けれど、湊だけは知らなかった。 彼女がなぜ、これほどまでに「他人の食事の記憶」に執着するのか。 そして、彼女に残された時間が、もう砂時計の底を突きかけていることを――。 これは、嘘つきな少年と、味のしない少女が探す、 人生で一番愛おしい「ごちそうさま」の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/01/12
  • 現在の作品最後の晩餐部