あらすじ
異世界に召喚された……はずが、
なぜか戦えないまま放り出されたおじいさんが一人。
元・国立公文書館職員の出雲総一郎。
彼に与えられた役目は、剣でも魔法でもなく、
**異世界で起きた出来事を「記録すること」**だった。
魔王討伐。
国家同士の大戦。
王位を巡る継承争い。
英雄たちが前に立ち、世界が大きく動くその裏で、
出雲は命令の経緯、途中で消えた部隊、
「なかったこと」にされかけた失敗を書き残していく。
すると世界は、
過去の記録を参照し、同じ失敗を避け始めた。
だが、すべての者がそれを歓迎するわけではない。
記録されたくない過去も、
残してほしくない真実も、この世界には確かに存在する。
戦わないおじいさんが残す一行の文書が、
やがて英雄譚の裏側で、世界の進み方を変えていく――
これは、異世界公文書館から始まる連作ファンタジーである。