あらすじ
戦争での功績を理由に、王族との婚約を命じられたマリー。
だがその婚約は、第一王子によって一方的に破棄される。
平民出身であること。
戦場で名を上げただけの存在であること。
それだけで、王子にとって彼女は「選ぶ価値のない女」だった。
場の空気が凍りつく中、
誰もが言葉を失う中で、声を上げたのは第三王子だった。
「だったら、僕が婚約します」
まだ幼く、立場も弱く、
血筋の理由から軽んじられてきた王子。
彼は、破棄されたその婚約を、
何の迷いもなく引き受けると言い出す。
マリーにとって婚約は、あくまで褒賞の一つに過ぎない。
期待も希望も、最初から抱いていなかった。
それでも――
婚約者として与えられた日々は、思いのほか穏やかで、静かだった。
立場も年齢も違う二人。
その婚約は、やがて国を滅ぼすことになる。