あらすじ

「愛」とは、救いではない。それは一国を滅ぼし、神をも殺すための「高純度エネルギー」に過ぎない。  舞台は、人間の感情が結晶化し、資源として徴収される歪んだ幻想世界。主人公・イグナツは、国家の要請を受け、最上の魔導兵器『神の心臓』を製造するための「庭師」として生きていた。彼の仕事は、孤児を「苗床」として選び、その心に一点の曇りもない「愛」を育て上げ、完熟した瞬間にその心臓を摘出すること。  第28号の苗床として選ばれた少女・エルナ。イグナツは彼女を外界から隔絶された「硝子の庭園」に閉じ込め、偽りの献身と教育を施し、自分を「神」として崇拝させるよう仕向けていく。だが、エルナは最初から知っていた。この庭が屠殺場であり、おじ様が自分を殺すために愛していることを。 「知っていてもなお、私はあなたを愛してあげる。それが、あなたを永遠に苦しめる呪いになるから」  少女は自ら毒を食み、憎悪を愛という名の狂気に圧縮し、結晶化を加速させていく。育てた側が育てられた側に支配され、支配構造が美しく反転する時、物語は血塗られた処刑台へと登り詰める。  これは、コンテストテーマ「育てた愛」を極限まで冒涜し、再定義する試みである。愛を育て、愛を搾取し、愛に焼き尽くされる二人の、美しくも醜悪な「心中」の記録。読み終えた時、あなたの内にある「愛」の概念は、粉々に砕け散っているだろう。

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エブリスタ
エブリスタ2025/12/30
  • 現在の作品殉教の園、あるいは愛という名の処刑台