あらすじ

この物語は、誰かに救われるためでも、共感されるためでもない。 早くから社会の構造を理解し、その才能ゆえに消費され続けてきた〈私〉は、他者を信用することをやめ、代わりに自分の中に「野望を持つ私」を創り出す。 それは味方でも敵でもなく、ただ利用するためだけに存在する存在だった。 〈私〉は自らの知性と感情、身体と時間を差し出し、野望のための資源となることを選ぶ。 拒絶も抵抗もない。あるのは、使い切られることへの静かな肯定だけだ。 才能は磨かれ、削られ、やがて人格そのものが意味へと圧縮されていく。 最後に残るのは、成功でも敗北でもなく、自己が自己を消費し尽くしたという事実だけである。 この物語は、成長も救済も与えない。 ただ、自分自身の野望に喰われることを選んだ一人の人間が、完全な完結へと沈んでいく、その過程を記録する。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/12/30
  • 現在の作品私という味