あらすじ

高校2年の春、宮下透(みやした とおる)は、転校してきた不思議な少女野上藍(のがみ あい)と出会う。藍はいつも独りでいるが、日記のようなノートを常に持ち歩き、どこか遠くを見つめていた。 ある日、透は彼女の忘れたノートを拾う。そこには「私はいずれ、すべてを忘れてしまう」という一文が書かれていた。藍は希少な記憶障害を抱えており、日々の記録なしには過去を維持できない状態だった。 透は彼女の「記憶の外部装置」として日々をともに過ごし始める。二人は少しずつ心を通わせ、記録と記憶の狭間で確かな“今”を築こうとするが――。 季節が巡り、病状の進行とともに藍の記憶は抜け落ちていく。透との関係すら危うくなり、やがて、藍は彼の存在も忘れてしまう。 それでも透は、彼女が生きた証を記録に残し、見えない明日へ手を伸ばし続ける。 ――それは、「思い出せない」という悲しみと、「忘れられない」という愛の物語。

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カクヨム
カクヨム2025/12/30
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