あらすじ

近未来、人類は、天と地をつなぐ長さ七万二千キロメートルもの巨大構造物を建造するほどの文明の領域にいたっていた。ただ、そうした文明の発展は、人類が自らの手で空を飛ぶことも奪っていた。航空工学を学ぶ大学生、結城航(ゆうき・わたる)のなぐさめは、かつての紛争期の遺物である無人偵察機『RQ-47B』を、遠隔操作による拡張体験で空を飛ぶことだけだった。  四月十二日、月曜日。無人機の操作中、高度一万五千フィートで「世界の綻び」は起きた。  デジタルノイズと、甘く乾いた花の匂い。 逆流する意識の果て、最後に網膜に焼き付いたのは、コントロールを離れ、遠ざかる「ぼく」の機体の姿だった。  意識をとり戻した先にまっていたのは、今ではない何処か。そこは本当の地球とは異なる不思議な法則が支配する、あたかも「剣と魔法」の世界であった。「魔法」と呼ばれる現象の裏側に潜む闇。そんな冷酷な世界を、航は思いを武器に切り開いていく。

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カクヨム2025/12/30
  • 現在の作品仮想世界航空史(仮)