あらすじ
近くにあったはずのものが
―― 遠く感じる瞬間がある
駅前の喫茶店で、佐倉真帆は見知らぬ男たちに絡まれ、身動きが取れなくなっていた。
そこへ割り込んできた、ひとりの女性
乱暴なくらい真っ直ぐな言葉
「謝るな」「はっきり言え」
その出会いをきっかけに、真帆は夜の街の片隅にある店へ通うようになる。
怖いのに、安心する
近づきたいのに、踏み込めない
東京郊外の夜の街
建設途中のビル、静かな通り、春の冷たい空気
二人は並んで歩き、はっきりしない距離のまま、いくつかの夜を重ねていく
これは
確かにそこにあった時間と
街に残ってしまった『響き』の物語