あらすじ
この世界には、不可解な点が『3つ』ある。
1つ、《大人が一人もいない事》。
ここにいるのは全て二十歳にも満たない子供ばかり。
1人も大人がいないのは、なぜ?
2つ、《街中のあらゆる生き物が機械である事》。
命がない。生き物がいない。動くもの全てが、機械でできている。
鋼鉄の翼で空を飛ぶカラス、バネと油圧シリンダーにより跳躍するネコ、電子ケーブルの尻尾を引きずり走るネズミ、エトセトラ…。
オマケに大抵の場合、『彼ら』は人を襲う。だから、市街地にはなかなか近づけない。
3つ、《空を突き抜け天に伸びる塔がある事》。
市街地の中心部に、直径1kmはあろう、一面灰色の外壁をもつ巨大な『塔』がある。
頂上は見えない。あまりに巨大で、どうやって建造したのか想像もつかない。加えてその周辺は、機械でできた『彼ら』であふれている…それはまるで『塔』を守るように。だから、近くこともできない。
『塔』から約25km地点。ここからでもうっすらと、遥か先に見えるそれが何なのかは分からない。
けど、そこに、『塔』に行けば何かが分かる……何かが、変わると思えた。
手段は自由。どんな手段を使っても構わない。
そこにたどり着け。誰よりも早く。
たとえ、何を犠牲にしたとしても。