あらすじ

昭和三十年、広島。 戦火で光を失った漁師・勇、音を奪われた幼なじみ・幸子、そして捨てられた老犬・ポチ。 不自由な身体で寄り添い生きる三人は、周囲から「地を這うスッポン」と嘲笑われていた。

ある夜、彼らは不思議な光に導かれ、夢と現実の狭間「月の裏側」へと迷い込む。

そこで勇には色彩が、幸子には旋律が、ポチには言葉が与えられた。 初めて手に入れた「完璧な世界」に歓喜する三人。しかし、月の番人・スッポンは残酷な選択を突きつける。

「完璧な偽物として月で暮らすか。不自由で醜い過去の待つ地上へ戻るか」

失った輝きを取り戻した彼らが、最後に選ぶのは「光」か「絆」か。 不完全な自分を愛したとき、泥を這う魂は月よりも高く輝き始める。 切なくも温かい、再生の物語。

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アルファポリス
アルファポリス2025/12/30
  • 現在の作品月とスッポン ── 銀光の淵で、声を拾う