あらすじ
「無能なゴミが。お前のような出来損ない、我が公爵家の面汚しだ」
魔力測定不能。スキル、なし。 そう罵られ、最果ての雨の中に放り出された少年・カイル。 だが、彼は知らなかった。 自分の正体が、かつてこの世界を創り上げ、飽きて眠りについた【創世神】の生まれ変わりだということを。
「……お腹空いたな。パンでも出ないかな」
カイルが何気なく呟いた瞬間、虚空から神の供物が顕現する。 彼にとっての「独り言」は、世界を書き換える「神託」そのものだったのだ。
そんな彼の前に、眩い光とともに現れたのは、人類最強の守護者——実妹の聖女・リーシャだった。
かつて自分を唯一愛してくれた妹。 だが、再会した彼女の瞳に宿っていたのは、兄への思慕を通り越した「狂信」で。
「見つけましたわ、お兄様。……ああ、どこのどいつですか? 私の神を、こんな泥の中に置いた不敬者は」
彼女は、兄を捨てた家族を、国を、そして人類を、一欠片も許すつもりはなかった。
「お兄様、命じてください。……私を捨てたこの世界、今すぐ滅ぼしましょうか?」
無自覚に世界を改変する神の兄と、兄を全肯定して敵を殲滅する狂信者の聖女。 二人が歩む先にあるのは、救済か、それとも終焉か。