あらすじ

蓮明高校の文芸部に所属する「僕」は、ある日、少し変わった同級生・真咲と出会う。彼女は仏教に強い関心を持ち、いつも古いカセットテープを大切そうに抱えていた。 そのテープが、ある日突然消える。校内を探し回るうちに、文芸部の部室、古びた仏壇、そして過去に起きた“いくつかの出来事”が静かにつながり始める。 やがてテープから聞こえてきたのは、名も知らぬ誰かの声だった。それはまるで、「聞いてほしい」と訴えるような、かすかな告白――。校内に広がる不可解な噂、消えた生徒の記憶、夜の旧校舎に響く読経。 真咲と僕は、声の行方を追う中で、人を信じることの難しさと、それでも誰かの痛みに耳を傾ける意味を知っていく。物語はやがて、町の寺院で起こるある事件へと向かう。 「正しさ」と「思いやり」は、必ずしも同じではない――仏教の教えを手がかに、二人は答えのない問いと向き合うことになる。 声なき想いは、どこへ行くのか。 祈りは、誰のためにあるのか。 これは、失われた声に耳を澄まし、心をつなごうとする高校生たちの、静かなミステリー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/12/30
  • 現在の作品空に咲く蓮と謎