あらすじ
人間が滅びた世界。
空を支配するカラス陣営と、都市を築く鷺陣営は、人間の遺した“遺物”を巡って対立を続けている。遺物はブレスレット型の装置であり、同時に使用できるのは最大二つ。
遺物同士は共鳴反応を起こし、
その挙動は完全には解明されていない。
物語の主人公は、鷺陣営に所属する一人の兵士。彼は、人間の遺物を模して作られた
**「擬似遺物(レプリカ)」**の正式装備者である。
擬似遺物は本来、誰にでも安全に扱えるよう設計されたものだった。だが主人公の装備は、戦場において“設計に存在しない共鳴反応”を示し始める。
その異常は、鷺陣営の研究者たちから注目と警戒を集め、同時にカラス陣営の指揮官――
黒い翼を持つ個体クルウの関心を引く。
クルウは、力を重んじるカラス陣営の中でも異質な存在であり、人間の遺物とその思想を深く知る者だった。
彼は主人公を敵としてではなく、
「未完の遺物が生み出した存在」として見る。鷺の管理下で観測対象となり、カラスからは“続き”を示す者として注視される主人公。
どの陣営にも完全には属せなくなった彼は、
人間の遺物が本当に遺そうとしたもの――
未完成のまま止まった未来に触れていく。
白と黒が争う世界で、
壊れていない“終わっていない力”だけが動き始める。
これは、
人間の遺物の続きを背負わされた一人の兵士が、陣営を越えて選択する物語である。