あらすじ

人間が滅びた世界。 空を支配するカラス陣営と、都市を築く鷺陣営は、人間の遺した“遺物”を巡って対立を続けている。遺物はブレスレット型の装置であり、同時に使用できるのは最大二つ。 遺物同士は共鳴反応を起こし、 その挙動は完全には解明されていない。 物語の主人公は、鷺陣営に所属する一人の兵士。彼は、人間の遺物を模して作られた **「擬似遺物(レプリカ)」**の正式装備者である。 擬似遺物は本来、誰にでも安全に扱えるよう設計されたものだった。だが主人公の装備は、戦場において“設計に存在しない共鳴反応”を示し始める。 その異常は、鷺陣営の研究者たちから注目と警戒を集め、同時にカラス陣営の指揮官―― 黒い翼を持つ個体クルウの関心を引く。 クルウは、力を重んじるカラス陣営の中でも異質な存在であり、人間の遺物とその思想を深く知る者だった。 彼は主人公を敵としてではなく、 「未完の遺物が生み出した存在」として見る。鷺の管理下で観測対象となり、カラスからは“続き”を示す者として注視される主人公。 どの陣営にも完全には属せなくなった彼は、 人間の遺物が本当に遺そうとしたもの―― 未完成のまま止まった未来に触れていく。 白と黒が争う世界で、 壊れていない“終わっていない力”だけが動き始める。 これは、 人間の遺物の続きを背負わされた一人の兵士が、陣営を越えて選択する物語である。

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カクヨム
カクヨム2025/12/30
  • 現在の作品白翼の都市と、消えた刹那