あらすじ
「リュート、お前はパーティーをクビだ。今すぐ出て行ってくれ」
冒険者ギルドの一室に、リーダーの怒声が響いた。
「えっ……な、なんで?」
俺、リュート・アルフェンは呆然と声を漏らす。パーティー《白銀の牙》の一員として、俺は雑用や支援魔法を担当していた。戦闘ではあまり役に立てなかったけど、それなりに頑張っていたつもりだ。
「お前の“加護”は《????》だろ? そんな得体の知れない能力、役に立つわけがないんだよ」
俺の“加護”──それは、ステータス画面でも正体不明の《????》とだけ表示される謎の能力だった。
「戦えない奴はいらない。これからは強い仲間を入れるから」
仲間たちは俺を見下した目で笑っていた。くっ、悔しい。でも、抗議しても無駄だと悟り、俺は黙ってギルドを出た。
その夜。
俺がひとり宿で酒をあおっていると、突如ステータス画面が変化した。
【神の加護《世界調律者(ワールド・チューナー)》が覚醒しました】
「えっ……? なにこれ……!」
その瞬間から、俺の身体が光に包まれる。そして、世界のすべての“法則”が見えるようになった──魔法、スキル、アイテム、果ては時間や空間までも。
「え、俺、バグじゃん……」
こうして俺は、世界のルールを書き換え、チート級の力を手に入れた。
──けれど、俺は戦いなんてどうでもいい。
「スローライフするわ。田舎でのんびり暮らすのが夢だったんだよね」
魔王軍? 勇者? 知らんがな。畑を耕し、美少女エルフと一緒にパンを焼く、それが俺の第二の人生。
だが世界は、そんな俺を放っておかなかった──