あらすじ
髪を梳かすたびに抜け落ちる、一本の白い毛。
それは白髪ではなく、鳥の羽軸のように硬く冷たい。
爪は透明な刃のように伸び、背中では骨が皮膚を押し上げ、
やがて“白い羽根”が静かに生え始める。
少女・凛の身体は、少しずつ“別の何か”に置き換わっていた。
影は薄れ、声は遠のき、存在そのものが侵食されていく。
唯一の救いは、幼なじみ・美結との絆だけ。
しかし、空から降りてきた白い影は告げる。
――返せ。
凛の身体は、本来の持ち主のものだと。
人間であることを選ぶか、空へ還るか。
少女が最後に掴んだものは、温度を持つ“手”だった。☆「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」