あらすじ
高校教師・佐伯は、余命を宣告される。
だがその事実を誰にも告げないまま、彼は教壇に立ち続けた。
投げやりな生徒。
進路に悩む生徒。
不安を抱える保護者。
異変に気づきながらも、止められない同僚。
佐伯は最後まで「先生」であり続け、卒業式の日も、確かにその場に立っていた。
式のあと、彼は学校に戻らなかった。
生徒たちの間に残ったのは、「倒れたらしい」という曖昧な噂だけだった。
数年後、同窓会の席で、その噂は静かに事実へと変わる。
そして彼の言葉が、今も生徒たちの人生の中で生き続けていることを知る。
これは、何も語らずに去った一人の教師と、
その背中を覚えている人たちの物語。