あらすじ
「セリーヌ・フォン・アルケミーナ! また爆発させたのか! この無能め!」
婚約者である第一王子ユースタスに罵倒され、煤(すす)にまみれたその瞬間。 私、セリーヌは思い出した。 自分の前世が、実験大好き・論理至上主義の「化学教師」だったことを。
この世界で私の魔法が爆発ばかりするのは、才能がないからじゃない。 無意識に魔力で『爆鳴気(ばくめいき)』を発生させていた――ただの計算どおりの物理現象だったのだ。
将来、冤罪で断罪される「悪役令嬢」の運命が待っている? ……ふん、笑わせないで。 事象には必ず理由があり、結果には必ず原因がある。
「断罪? 結構です。ですがその前に、その『聖女の奇跡』とやらを科学的に解体(レビュー)して差し上げますわ」
私は断罪回避のため、そして優雅な隠居生活(ラボの設立)のために、現代化学の知識をフル稼働させることを決意する。
粗悪な石鹸しかないなら、中和反応で最高級品を自作。
飢饉が起きるなら、空中窒素固定法で肥料を量産。
「魅了の魔法」を振りまくヒロインには、試薬を持って法医学的に対抗。
「魔法? いいえ、これはただの化学反応です。――科学の力って、すげーでしょ?」
これは、理論(ロジック)で世界を塗り替えるマッドサイエンティスト令嬢が、無知な王子や偽聖女を論破しながら、いつの間にか国全体の技術レベルを100年進化させてしまう物語。