あらすじ
『氷の公爵』『人の心を持たぬ男』『見つめられた者は石になる』——
王国で最も恐れられる貴族、ヴァレンシュタイン公爵。 彼のもとに送られた花嫁候補は、全員が三日と持たずに逃げ帰ってきた。
没落寸前のベルモント子爵家の令嬢リリアナは、借金の肩代わりと引き換えに、その「冷酷公爵」の花嫁候補として差し出されることになる。
覚悟を決めて屋敷を訪れたリリアナ。 出迎えたのは、噂通りの氷のような表情をした美丈夫だった。 漆黒の髪、青い瞳、見上げるほどの長身——まさに「冷酷」の名にふさわしい威圧感。
けれど、リリアナは気づいてしまった。
話しかけるたびに、びくっと肩を震わせていること。 目が合うと、必死に視線を逸らすこと。 そして——耳が、真っ赤になっていること。
(……この人、もしかして)
冷酷なんかじゃない。 ただの、人見知りだ。
緊張しすぎて固まっているだけ。 言葉がうまく出てこないだけ。 どう接していいか分からなくて、困っているだけ。
今まで誰も気づかなかった公爵の「本当の姿」。 それを見抜いたリリアナは、逃げ出すどころか——むしろ、この不器用な人のそばにいたいと思い始めて……?
三日で追い出されるはずだった令嬢と、実は極度の人見知りだった冷酷公爵。 ギャップ萌え全開の、甘々溺愛ラブストーリー。