あらすじ
王国は、すでに終わりかけていた。
度重なる失政と災害により国庫は空、借金は雪だるま式に膨れ上がり、民は疲弊し、貴族も重臣も未来を語れなくなっていた。若き王子レオンは、そのすべてを背負わされながらも、ただ一つ――国を見捨てられないという想いだけで立っていた。
追い詰められた夜、王子が神に祈った瞬間、現れたのは威厳ある神ではなく、転んで登場するドジっ子女神アステリアだった。説明は雑、計画は曖昧、しかも彼女が提示した救済策は「異世界で国家再建を成功させれば、元の世界も救われる」という無茶苦茶なもの。
逃げ道のないまま異世界へ飛ばされたレオンが目にしたのは、資金ゼロ、治安最悪、民心崩壊寸前の、もう一つの“詰んだ国”。だが彼は神頼みだけにすがらず、民と向き合い、働き口を作り、交渉し、借金すらも武器に変えながら、少しずつ国を立て直していく。
失敗ばかりの女神アステリアもまた、過去に救えなかった世界を背負う存在だった。
ドジで頼りない神と、覚悟だけは本物の王子。
二人が手を取り合い進むその先にあるのは、奇跡か、それとも――人の力で掴み取る未来か。
これは、笑いと失敗の中で「国とは何か」「王とは何か」を問い直す、
異世界国家再建ファンタジーである。