あらすじ
「お前は私にとって、この上なく価値のある子だ」
ゴミ捨て場で死にかけていた私を拾い、暖かいベッドとお腹いっぱいのスープをくれた大賢者サイラス様。
怠け者の師匠のお世話をすることが、私——エルマの何よりの幸せでした。
師匠の代わりに魔物を退治し、呪いを解き、人々を救う。
体から血が滲んでも、視界が霞んでも、それは慣れない魔法を使ったせい。
師匠のお役に立てるなら、こんなの安いもの。
「よくやった、エルマ。お前は本当にいい『杖』だ」
師匠の優しい言葉に、私は微笑んだ。
——ああ、世界で一番優しい人は誰かと聞かれたら、私は迷わず師匠の名を挙げます。
※これは「信頼できない語り手」の物語です。
※杖は消耗品です。