あらすじ
新宿の夜は、数字が多すぎる。 駅前ビジョンの音量、改札を叩く残高、すれ違う人々の足音。
三笠陽菜(ミカサ)は、それらを無意識に数えてしまう「欠陥品」だった 。 ある日、彼女は気づいてしまう。 バイト先のカフェのカップが、昨日の「12」から「11」に減っていることに。 割れたのでもない。忘れられたのでもない。 ただ、世界から「最初からなかったこと」として削り取られたのだ 。
「……揃ってるわね」
オーナーのムツは、無機質な瞳で世界を塗り替える言葉を吐く 。 物理法則を無視して消えるスプーン、鍵をかけたはずの店内に現れる謎の配達員・ヒカワ、そして「監査」と称して現れる青年・キリシマ 。
彼らが管理するのは、都市のゴミではない。 多言語、事故物件、未解決事件。それらが混ざり合い、システムのバグとして発生した**【混成怪異】**を、彼らは「選別」し、「最適化」していく 。
これは、ニューワールドオーダー(新世界秩序)への前奏曲 。 「答えのある世界」の優しさに飲み込まれる前に、陽菜は「減ったもの」の正体を突き止められるのか。
「次は、私(パーツ)が間引かれる番かもしれない」