あらすじ
昭和某年、高度経済成長期の熱気渦巻く阿久津市。
「阿久津の虎」と恐れられる九条組若頭・玄夜は、背中に彫られた「黒虎」が肉体を食い破る呪いに侵され、余命一年を宣告されていた。
そんな彼は、借金の形として売られるはずだった少女・雫と偶然出逢うことになる。
震える彼女を抱き寄せた夜、玄夜は知る。雫の体温だけが、暴れ狂う虎を鎮められる唯一の薬であることを。
「離れるな。俺が死ぬまで、そばにいろ」
虎を鎮めるたび、雫の鎖骨に咲く白い牡丹の痣。それは雫の命を削る契約の証だった。
自分を犠牲にしても尽くそうとする雫と、彼女を守るために突き放そうとする玄夜。
かりそめの同居生活は、やがて互いの命さえ捧げ合う、狂おしいほどの純愛へと変わっていく――。
呪われた獣を背負う不器用な男と、聖なる乙女が織りなす、昭和任侠溺愛ファンタジー。