あらすじ
「あなたも天使の名前なのね!」
ロシアで小さなリーナが泣いている時、ある女性の戦闘機パイロットが狐のぬいぐるみの姿をした通信式人工知能、アンジェラをプレゼントしてくれた。アンジェラはその女性のように、けれど眠たげにお話ししてくれる。「泣いている子を、ひとりにはしないよ」
そう言われたリーナはアンジェラが生まれた場所、エンジェルスクール、国連安全保障高等専門学校にいつか向かおうと志す。この学校の学生であり、戦闘機パイロットであるミシェル。彼女もまた、暴力という空虚な権力を否定すべく、人工知能AngeIaを呼び出せる衛星通信をつくって人々を繋ぎながら犯罪政権と戦い、世界で天使と呼ばれた。そしてインタビューでこう語る。
「泣いている子を、ひとりにはしない。そう先生から言われたんです」
国民総動員で犯罪政権の兵士にされ、通信も困難で、アンジェラとも離れ離れになり、戦地に辿りついてしまった国連高専進学直前のリーナは考える。私が泣いたって、ひとりぼっちなのに。
そう諦めた彼女の目の前には、重傷を負った天使、ミシェルが倒れていた。
それが、エンジェルスクールに通い、やがて暴力を繰り返す祖国の魔王に至る旅の、始まりだった。