あらすじ
霊能力者・間宮響子のもとに、「スマホの写真が瞬きし、口を動かす」という不可解な依頼が舞い込む。調査を進める中で、響子は電磁波を媒介として霊がスマートフォンへ憑依し、画像フォルダーを通じて人間の視線と記憶を糧に増殖している事実に辿り着く。
依頼者の女子高生・三枝美咲は被害者を装っていたが、かつて同級生を集団いじめに追い込み、自殺へと追いやった加害者であることが判明する。その罪悪感と忘却が呼び水となり、怨念は“助けを求める霊”ではなく、「見られること」そのものを欲する最恐の存在へと変貌していた。
祓いに臨んだ響子は、怨霊がもはや個人や場所に縛られず、世界中のスクリーンへ拡散する情報災害と化していることを悟る。祓いは拡散を加速させる行為でしかなく、美咲は自らのスマホに取り込まれ死亡し、怪異に飲み込まれて姿を消す。
しかし怪異は終わらない。
“見た”という行為そのものが接続となり、写真を覗いた者すべてが次の保存対象となる――。
物語は、読者自身の視線を最後の媒介として、現実へと侵食していく。