あらすじ
鏡に映る無惨な肌に、心が悲鳴を上げた。
婚約破棄を告げられた衝撃よりも。
美のプロとしての矜持が、今の自分を許せなかった。
毒を孕んだ白粉を塗りたくるのが気高き証とされる異世界。
だが、前世で伝説の美容部員だった彼女は知っている。
厚化粧の下で、貴族たちの素肌が死に絶えていることを。
彼女は、忌み嫌われる死の泥に手を伸ばした。
それは作物を枯らす呪いか。
それとも、世界を塗り替える奇跡の源泉か。
たった一人、孤独な仮面の男がその輝きに気づく。
真実の美しさは、人を救う光となるのか。
それとも、平穏な世界を壊す毒となるのか。