あらすじ
「エリアナ、貴様との婚約は破棄する! この金に汚い地味女め!」
建国記念パーティの最中、第二王子ジオルドが高らかに宣言した。
彼の隣には、宝石をジャラジャラとつけた男爵令嬢ミィナ。
どうやら私が、彼女へのプレゼント代(公費)を却下し続けたことが不満らしい。
周囲は憐れみの目を向けるが、私は内心で安堵していた。
これでやっと、この馬鹿王子を切り捨てられる。
「承知いたしました。では、こちらの『特別監査報告書』を陛下に提出させていただきますね」
「は……?」
彼らは知らない。私がただの地味な事務官ではなく、国の裏帳簿まで管理する『影の金庫番』であることを。
そして、横領の証拠が揃い次第、氷の宰相サイラス公爵が動く手はずになっていることも。
――これは、有能すぎる事務官令嬢が、横領王子を社会的に抹殺し、冷徹なはずの宰相閣下に溺愛されるまでの物語。