あらすじ
魔王は、未だに手品師の扱い方に困るときがある。
死にたいと出会ったときから言っているのになかなか実行に移そうとしない。むしろ先延ばしにしているようにさえ思えるほどだ。
魔界、今魔王が居る世界とは別に存在する世界。そこに存在する魔物の唯一無二の長である魔王でさえ、手品師と闘えば五体満足、無事ですむ保証はない。わかっているから手出ししないのだが、これがなんとももどかしい。
手品師は人間であるため、隙は存在するが、弱点の宝庫なのだが、下手に殺せない。
手品師と行動を共にして早くも半年。それだけ寝食を共にすれば、性格も考え方も違うことはわかる。育った世界が違うから当たり前と言えば当たり前なのだが。
わずか半年の間に、魔王は一度や二度じゃ無い数、寝込みを襲おうとした。だが、手品師の心臓に、脳に、首に手をかける度に言い聞かす。
ここで死んだら、夢を諦めることになるぞ。
おそらく手品師はなんど生命の危機に立たされたのか知らないであろう。
魔王もわざわざ知らせる義理も無いので、言わなかった。
(さよなら――棄てられた世界は何処に――)
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表題作【さよなら――棄てられた世界は何処に――】
ほか
【主人公は殺されない】
【名前は要らない。脇役だから】
短編二作収録。
4月15日公開