あらすじ
法術(魔法)で事件の真相を解き明かす、近代欧風ファンタジックミステリー。
主人公のリドリーは、法術を扱う法王庁の職員で、犯人や被害者が事件現場に残した「情動」を結晶として採取し、犯行動機を鑑定する「鑑察官」。
ある屋敷の火災現場で、首を絞められた跡のある女性の死体と、その場で放心状態の救護隊員が発見された。警察は救護隊員を殺人容疑で逮捕するが、記憶の一部が欠落していて捜査は難航。さらに、リドリーたち鑑察官が現場で採取したのは、扼殺行為ができるはずのない情動結晶だった。
リドリーには、同じ場所で出現した情動を、時系列に沿って見られる特殊な力があった。結晶とは違い法的な証拠能力はないが、そこから捜査の糸口を見つけながら同僚のロイと共に証拠を集め、事件現場で起きたことを再現していく。
被害者と救護隊員の関係が紐解かれていくにつれ、事件の謎は深まっていく。捜査の期限が迫る中、リドリーは、警察との不協和音や能力の葛藤に悩みつつ、師の教えを背負いながら、法術を駆使して捜査を進める。
やがて見えてきた事件現場の様相。火災現場で何が起きたのか。誰がどんな罪を選んできたのか。リドリーたち鑑察官の思いが、その真相に迫る。