あらすじ

かつて魔王を倒し、世界に平和をもたらした英雄・ライエル。 彼は最後の戦いで記憶の大半を失い、気づけば見知らぬ町で小さな牛丼屋「まるごと牛丼」の主人となっていた。 玉ねぎの切り方、だしの取り方、ご飯の炊き方──すべてが手探りだが、 なぜか剣を握っていた時よりもずっと、この平穏な日々に満足していた。 ある雨の日、店の扉が激しく開いた。 そこには涙ながらに剣を握りしめ、世界の危機を訴える若き勇者たちの姿が。 彼らはライエルの目を見て、声を揃えて叫んだ。 「師匠! ついに見つけました…!」 「もう一度、私たちを導いてください!」 玉ねぎを切りながら首をかしげるライエル。 確かに、この子たちの顔にはどこか懐かしさを覚える。 でも今の自分に教えられることと言えば── 「とりあえず…立てかけている剣が床を傷つけるから、棚の方に置かないか? あ、よかったら今日のおすすめ、温玉牛丼食べてかない? 戦いの前には炭水化物だよ」 世界の命運がかかった戦いと、注文の入った卵の黄身が割れないように盛り付ける戦い。 どちらも、かつて英雄だった男にとっては、等しく「今日の仕事」なのであった。

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カクヨム
カクヨム2025/12/27
  • 現在の作品世界を救った元英雄、記憶を失って異世界で牛丼屋になったら、教え子だった現勇者たちが泣きついてきたんだが?