あらすじ
「アイザック、わたくしが貴方に預けるのは完璧な『事実』。それを真実へと昇華させるのは、貴方の誇りにかかった仕事でしょう?」 次期王太子妃候補、イザベラ・ロザリンド侯爵令嬢は峻厳に言い放った。
それは老薬師アイザックを認め、自らの潔白を証明するための「勝利の素材」を預けるという、絶対的な信頼だった。
しかし、計画された悪意が襲いかかる。自ら毒を仰いだフリをした愛妾リリアンと、盲目の愛に狂う王子。
会場全体がイザベラの破滅を確信し、冷たい視線を送る中、老薬師が読み解いた「事実」の真意とは――。 衆人環視の舞踏会。絶頂の瞬間にリリアンが味わう、絶望の味。老薬師の懐中時計が、偽りの罪を焼き尽くす!