あらすじ

―――ここは近未来の日本。 青空の下にそびえ立つビル群の影で、人知れず〝物怪〟が人に寄生し、〝霊〟が人命を喰らう社会。 かつて、この国の裏には一人の天才少女がいた。 九条真希。 小学三年生にして国家霊鎮圧部隊に所属し、誰よりも兄の幸せを願った少女。 しかし三年前、彼女は非業の死を遂げる。 肉体は国に管理され、魂は霊の巣窟へと奪い去られた。 生き残った真希の兄・九条嵐は、妹を愛するがゆえに二つの呪いを背負う。 一つ、幸せを感じるたびに、妹との大切な記憶が消えていくこと。 一つ、冷たい物体や事象に触れれば、全身を焼かれるような激痛に襲われること。 妹がかつて拒絶せざるを得なかった「熱」をその身に纏い、嵐は今日も孤独な戦場へ向かう。 すべては、奪われた妹の魂を取り戻し、あの日伝えられなかった「返事」を届けるために。 「幸せになってはいけない。それが、俺が真希を忘れないための唯一の条件だ」 これは、幸せを拒絶した少年が、絶望の果てに奇跡を掴み取るまでの―――孤独で熱い英雄の記録。

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小説を読もう2025/12/27
  • 現在の作品翠閻≠弔い